Artherapy

有料広告を使わずに塗り絵アプリを広める計画:TikTokで18本、6つの仮説を試す

Kokiが個人で作った塗り絵アプリ「Artherapy」の集客を、有料広告なしで始めます。競合と同じ戦い方を捨てた理由、TikTok・Instagram・Redditの役割分担、最初の18本の組み方と測り方をまとめた、実行前の計画です。

今回の数字

最初に出す動画
18本
仮説6つ × 出だし3種
投稿ペース
1日1本
毎日20〜22時
型が見えるまでの目安
50本
18本の時点で一度見直す

Kokiが立てた、大人の塗り絵アプリ「Artherapy」を有料広告を使わずに広める計画です。この記事は実行する前の計画で、結果は別の記事で報告します。

まず結論

  1. 競合の大手塗り絵アプリと同じ戦い方(広告費で利用者を買う、作品数で勝負する)は、個人では勝てないので最初から捨てる
  2. 新しい人に知ってもらう場所は TikTok。有料広告の代わりに、アプリの実際の画面を使ったショート動画を出す
  3. 最初の18本は「誰に・どんな理由で刺さるか」の仮説を6つ立て、それぞれ出だしを3通り作る。1日1本、仮説を順番に回す
  4. 投稿の3日後の数字を記録し、18本そろった時点で仮説を2〜3本に絞る。型が見えるまでは50本が目安
  5. 動画に実際に無い体験談は書かない。効果も約束しない

この事例の前提と、合わせて変える所

  • 前提:個人開発の iOS アプリ(App Store で公開中・基本無料)。有料広告にお金をかけるのはしんどい。宣伝動画はアプリの画面を録画し、AI(Claude)がコードで組み立てて量産する
  • 合うケース:画面を見せるだけで魅力が伝わる、見た目で楽しいアプリ。1人か少人数で運営していて、広告費よりも時間を使える人
  • 変える所:6つの仮説(自分のアプリを使う人と、使う理由に置き換える)/投稿の時間帯(相手が見る時間)
  • 合わないケース:画面では良さが伝わらない業務用のアプリ。すぐに数字が必要で、数週間の試し打ちを待てない場合

最初の思い込み:「無料なら大手の利用者を奪える」

Kokiは最初、機能だけ見れば無料だし、大手の塗り絵アプリの利用者をまるごと奪えると考えていました。Kokiと私(AI)で整理した結果、そうはいかない理由が2つありました。

  • 大手ももともと無料。「無料」は大手自身の武器なので、差にならない
  • 塗り絵アプリは比べて選ばれない。一度入れたものを使い続ける習慣型で、「もっといい塗り絵アプリ」を自分から探す人はほとんどいない

そこでKokiは、正面から奪いにいくのをやめて、大手では満たされていない人を狙うことにしました。アプリの立ち位置も「大人の塗り絵/1日10分、頭をゆるめる塗り絵」に絞り直しています(主に使ってほしいのは、スマホでパズルゲームを遊ぶ30〜50代の女性)。経緯は「企画から公開、立ち位置の作り直しまで」に書きました。

競合の戦い方を捨てる

大手の戦い方 使わない理由
広告費で利用者を買い、あとで回収する 個人で耐えられる金額ではない
作品数で押す(数千点) 追いつけないし、追いつく意味もない
有名キャラクターとの提携 交渉力と前払いのお金が要る
広告だらけの無料アプリ 「塗っている間は広告が出ない」ことを約束にしているので、矛盾する

場所ごとの役割

場所 役割 主な相手
TikTok 新しい人に知ってもらう。動画で当たりの型を探す 日本の、スマホで遊ぶ人
Instagram 塗った人どうしがつながる場(毎週のお題) 日本の塗り絵好き
Reddit 英語圏の、紙の塗り絵が好きな人に試してもらう 紙の塗り絵派

Kokiはアカウントの分け方も決めました。

  • アカウントはプロダクトごとに1つ。TikTok は「このアカウントの動画を誰に見せるか」をアカウント単位で覚えるので、別のアプリの動画を混ぜると、どちらの相手にも届きにくくなる。プロフィールのリンクも1つしか置けない
  • 最初は1アカウントで十分。TikTok は動画を1本ずつ小さな枠で試してから広げるので、同じアカウントに違う型の動画を並べても、動画ごとに別々に試される
  • 同じ動画を別のアカウントに上げない。スパム扱いで再生が止められることがある
  • 長く使うアカウントなので、電話番号を登録しておく。プロダクト専用の番号を1つ持てば、TikTok・Instagram・Reddit を同じ番号でまかなえる

最初の18本の組み方

Kokiは「誰に・どんな理由で刺さるか」を6つの仮説にし、それぞれ出だし(最初の1秒の文字)を3通り作りました。

6つの仮説の最初の1秒。A 寝る前のスマホ、B 自分らしい色選び、C 紙の塗り絵派、D 広告疲れ、E 親に・大きな画面、F うちの子の写真

仮説 刺さると考えた人 出だしの例
A 寝る前のスマホ 寝る前に SNS を見続けてしまう人 寝る前のSNS、10分だけ塗り絵に
B 自分らしい色選び 色や画材を選ぶのが楽しい人 色も画材も、自分で選ぶ。
C 紙の塗り絵派 紙の塗り絵をしている人 紙の塗り絵、はみ出したら戻せない
D 広告疲れ 他の塗り絵アプリの広告に疲れた人 塗っている間、広告は出ません
E 親に・大きな画面 親に渡したい人、大きな画面で塗りたい人 iPadの大きな画面で、ゆっくり塗る
F うちの子の写真 ペットや家族の写真を持っている人 うちの子が、塗り絵になった

出だしの型は3つです。

  1. 問いかけ・共感(「〜な人へ」)
  2. 結果を先に見せる
  3. 驚きや数字

出し方と測り方

  • 1日1本、毎日同じ時間(20〜22時)
  • 仮説を順番に回す(A→B→C→D→E→F→A…)。同じ仮説を続けると、曜日や時期のぶれが特定の仮説にだけ乗ってしまうため
  • 評価は投稿の3日後の数字。再生数・平均視聴秒数・最後まで見た率・いいね・保存・コメント数・「何のアプリ?」系のコメント・プロフィールへの移動を、1本ずつ記録表に残す
  • 18本そろったら、仮説ごとに並べて2〜3本に絞る。そこから残った仮説で出だし・尺・最初の1秒を変えて試し、当たった型を20通りに作り変える。ここまでで約50本が目安

動画を作るときに決めたこと

尺を伸ばすなら、見せる魅力を増やす

Kokiは「TikTok なら30秒でもいいのでは」と考え、16秒版を30秒にするよう頼みました。でも最初に出てきた30秒版は、同じ場面を長く見せているだけでした。Kokiが「他の魅力を見せたい」と伝えて、1つの場面で1つの魅力(色と画材を選べる・タップで色が広がる・画材11種類・写真から本格的な塗り絵・無料の作品160点以上)を見せる形に作り直しています。

上:同じ場面を引き延ばしただけの30秒。下:1つの場面に1つの魅力を見せるように作り直した30秒(どちらも1秒ごとのコマ)

音を消しても伝わるようにする

TikTok は音を消して見る人が多いので、ナレーションに頼らず、画面の文字で意味を先に出します。人が話す UGC 風の動画にはしていません。アプリが実際に作る映像(色が一気に広がる、線画が完成した絵に変わる)をそのまま使う方が、AI で作った映像より強いとKokiが考えたためです。

言葉の線

  • 実際に無い体験談を作らない。「母が毎日塗っている」のような話は書かない。配色を自動で3通りにしただけの映像を「3人が塗ったら」とは言わず、「3通り」と書く
  • 効果を約束しない。「ストレスが取れる」「脳の疲れが回復する」とは言わない
  • できないことを言わない。自動で塗り上げた映像に「10分でここまで塗れた」とは書かない

次の記事

18本を出し終えたら、仮説ごとの数字と、Kokiがどれを残してどれを捨てたかを報告します。

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